ひ・み・つ

こんどのたなばたさまの日は、ゆうきのおばあちゃんの八十才のたんじょう日。ゆうきは、「プレゼントにいちばんほしいものはなんですか」って、手紙を書いたんだ。そうしたらね、おばあちゃんは、プレゼントはいらないけれど、ひみつのねがいがあるって言うんだ。それはね……。ゆうきは、おばあちゃんのひみつのねがい、かなえてあげられるかな。

 

◎とっちゃまんのここにちゅうもく!

ゆうきのおばあちゃんは、四十年前になくなったおじいちゃんともう一回ダンスがしたいという。これがおばあちゃんのゆめだね。これって、心の中にずうっとしまっていた、たぶんかなわないのぞみだ。だから、「ひみつ」だったんだよね。そのひみつをゆうきに教えてくれた。ここがいい。ひみつって、人の心の中にある、大切な思いのことをいうのかもしれないなあ。

 

・ゆうきのぼうし

ゆうきって、いいやつだよね。おばあちゃん思いだ。そんなゆうきがもっている「まほうつかいのぼうし」。このぼうしの正体って何だと思う?

このぼうしは、おばあちゃんがゆうきに作ってくれたぼうしだ。先っぽにはおりひめさんとひこぼしさんがおられる。まるでおばあちゃんのねがいがおりこまれているみたいに。

「ゆうきのぼうしの正体は~だと思います」。こんな文で考えてごらん。

 

・おばあちゃんの心の中

おばあちゃんは天国のおじいちゃんに会えて、ダンスができた。よかった!

ところで、どうしておばあちゃんのねがいごとはかなったんだと思う?「まほうのぼうしがあったから」だけじゃ、ものたりないそ。

もう一つ。おばあちゃんは元気がどーんとわいてきちゃったという。どうしてだと思う?おばあちゃんの心の中も、のぞいてみるといいね。

ボクは思った。人は、だれかに思ってもらえるだけでうれしい。だれかが自分のことを考えてくれているとわかるだけでも、しあわせになれるんだって。

それにしても、いいお話だったなあ。ボクもまほうのぼうしをかぶってダンスをおどりたくなったよ。

アヤシイかな?

 

 

※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文おたすけブック(2005年)

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ひ・み・つ   

たばたせいいち・作 童心社