12歳の文学(第二集)

2006年、史上初の小学生限定の新人文学賞として話題になった。「12歳の文学賞」「小学生の作家?」というオドロキもさることながら、みんなが衝撃を受けたのは、作品のレベルの高さとパワーだった。

特別審査員に堀北真希さんを迎えた第二回の応募総数は二〇〇七編。この本には、「初回よりさらにレベルアップした」と審査員を驚かせた九作品が収録されている。中でも圧巻は、三船恭太郎さん(小学5年生)の大賞受賞作『ヘチマと僕と、そしてハヤ』せつなくて、楽しくて、伊藤たかみ先生も「読み終えてしまうのがもったいない。文句なし」と大絶賛。これは、読まずにはいられない! 12歳にできること、12歳にしかできないこと――ブンガクというわくをはるかにこえて、今、新たな才能が花開こうとしている。その瞬間に立ち会おう。

◎とっちゃまんのここに注目!

「12歳の文学賞」の顧問をやっているボク。今年も二千をこえる応募があって、しかも、昨年より質が向上しているんだからうれしい。きちんと自分と向き合って、じっくり書きこんでいる作品が多かった。

さて、きみは、この本をどう読むか?

人は生まれながらにして、作家になる素質を持っている。その才能を生かして、書き手=作家になる場合もあるし、受け手=すぐれた読者になる場合もある。この本は、そのどちらの場合にもきわめて「有効」だと思う。

きみの小説家デビューのきっかけとしても、ハイレベルな感想文の題材としても、おすすめだよ!

・「12歳の批評家」になろう!

書き手は、きみたちと同じ小学生。だからこの本、感想文のテーマ本として、

とても料理しやすいんじゃないかな。反応も共感もダイレクトにできて、切りこみやすいと思うんだ。

掲載作品の一つを取り上げて、まずは徹底的に批評してみよう。「自分だったらここはこうする」という指摘でもいいし、「正直いって物足りない」という指摘でもいい。ほめるところはほめ、批判すべきところはきちんと批判すること。それが批評ということだ。

そう、文学には批評というジャンルがある。しかし、日本には正面切った批判をさける風潮があって、批評の土壌はそう豊かとはいえない。

ここはきみに、きたんのない批評を聞かせてほしいところ。当たりさわりのない言葉でお茶をにごすのはやめて、「12歳の批評家」を目指そう。

そうなると、宿題をクリアするだけの感想文なんて、目じゃなくなってくる。

「自分にも書けそうだな」と思うこともありそうだ。批評から創作に入るって、意外と正しい道なのかもしれないね。

・本当の作家とは?

「12歳の批評家」から「12歳の作家」へ――。でもその前に、きみに問いたいことがある。本当の作家って、どういうものなんだろうね?

プロの書き手には、相当な水準が求められるはずだ。しかし最近の出版物を見ると、「あれれ?」と感じることが多いよね。出版や受賞のハードルが低くなっているような……。そうして、星の数ほどの作家がデビューしては消えていく。

これはもちろん、きみ自身が答えを見つけていかなくてはならない問題だけど、ボクは、「書くべきことがあるかどうか」がモノを言うと思う。人の顔色や世間の評判をうかがっているようじゃダメ。個性そのものの勝負なんだよね。

・チャレンジ!

だからこそボクは、きみたちに期待している。元気のない大人たちには書けないような個性あふれる作品を書いてみないか?百年先、千年先まで残るようなかがやきを放った作品をね。

落選しても、あきらめないこと。一度や二度であきらめるようじゃ、ハナから無理。賞をとることより、自分の作品を書くことが目的なんだから。これは批評も感想文も同じ。きみの果敢なチャレンジを待っているよ!

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック

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12歳の文学(第二集)

小学館