ハリー・ポッターと炎のゴブレット

額に稲妻形の傷を持つ「ハリー・ポッター」は、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒。

魔法界のサッカー、クィディッチのワールドカップが始まり、ハリーたちはブルガリア対アイルランドの決勝戦に夢中になるが、その後恐ろしい事件が 起こる。そして、百年ぶりに開かれる三大魔法学校対抗試合に、悪の力を持つ魔法使いヴォルデモードがしかけた罠は、ハリーを絶体絶命の危機に陥れた……。

次々にふりかかる難題をハリーはクリアできるのか。命をかけた戦いが始 まる……。

◎とっちゃまんのここに注目!

「ハリ・ポタ」シリーズ、いつも楽しみだよね。作者はイギリスで一番の  お金持ちになったんだって。しかもエリザベス女王を抜いて。そして、世界の子どもたちに寄付をしているんだって。いいことをするよね。それこそ魔法だ。作者は「だれの中にも、自分を変える魔法がある」ということを、世の中に  きちんと伝えているような気がする。

ボクも毎年この本を取り上げてきたけれど、今回はちょっと角度を変えて 考えてみようと思う。

・考えるポイントは?

 このシリーズ、どうしてこんなに人気があるんだろう。そこを考えてみよう。つまり、「ハリー・ポッターの人気のひみつ」をテーマに、読書感想文を書いてみよう、ということだよ。はたしてきみは、ハリーのひみつを読みとけるであろうか!?

きみの意見を書くのはもちろんだけど、友だちや家ぞくに取材してみてもいいね。どこがいいか、なぜ読むのかを聞いてみよう。ほかの人気作品と  くらべてみるのもいい。

「人種や国をこえて、世界中で人気があるのはなぜか」ということに、ポイントをおいて考えてみるといいんじゃないかな。

 「自分はこのシリーズから何を学び、何を考えただろうか」という問い  から考えてみる。つまり、距離をおいて冷静に考えてみようということだね。

自分の意見を持つためには ちょっとつきはなしたやり方でモノゴトを とらえることも大事だと思う。

 ハリーはいい感じで成長しているよね。誠実だし、男っぽくなって、かっこよさをましている。

ボクは、しっかりと成長できる人には、共通の何かがあるような気がする。その何かとは何なのか、さぐってみるというのはどう?

ハリーの生き方、考え方に対して、きみのするどい切りこみがほしいところだ。たとえば、「ハリーのこの言葉は」「ハリーのこの行動は」といったぐあいに考えてみるといい。

 訳者のあとがきを読んでみよう。ふりがながないから大変だけど、チャレンジだよ。このシリーズを訳してきたいきさつや思いがしっとりと書かれていて、ボクは、訳者の松岡さんにとっても興味がわいてしまった。

あとがきや訳者について書くのも、りっぱな感想文だ。本は、表紙も、   タイトルも、作者も、イラストも、訳者も、もちろん、一行一行も、みんな集まって、一さつの本なんだからね。

 ハリーあての手紙を書いてみる。これもいいな。

もちろん、「おもしろかった!」でOKなんだけど、いくつかヒントをあげてみた。ボク自身は、冷静に「ハリー・ポッター現象」について考えてみたいと思っているところ。ハリーとのつきあい、長くなりそうだな。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック

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ハリー・ポッターと炎のゴブレット

J・K・ローリング・作 松岡佑子・訳 / 静山社