ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

額に稲妻形の傷を持つ「ハリー・ポッター」は、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒。

悪の力をもった魔法使いヴォルデモートに両親を殺されてしまったハリーは、いじわるな親戚ダーズリー家で育った。この三巻はその親戚でゆううつな夏休みを過ごすところから始まる。

夏休みが終わって学校へともどる途中、ハリーは吸(きゅう)魂(こん)鬼(き)(ディメンター)に出会う。さらに要塞(ようさい)監獄(かんごく)アズカバンに収容されている凶悪犯の中でも一番の 凶悪犯シリウス・ブラックが脱獄し、ハリーの命をねらってホグワーツ魔法 魔衛学校に侵入したらしい?!

 

◎とっちゃまんのここに注目!

シリーズ三作目。すっかり世界のアイドルになってしまったハリー・ポッター。スゴイことになっているよね。

読むたびに感心するんだけど、ハリーの物語にはスピード感があるね。場面がポンポンと展開していく。映像がうかぶ。そして、シリーズのどれを読んでも、ハラハラドキドキする。

だけど、読んでおもしろい本って、感想文を書くのがむずかしかったりする。さて、どうしようか。

 

・感想文の方法

ハリーの感想文を書こうとすると、どうしても「おもしろかった」とか、  「ボクならこうした」「こんな友だちがほしいです」といったレベルになってしまいがちだ。「この場面が心に残っています」とかね。

ほんとうは、楽しく読めたらそれだけでじゅうぶん。だから、感想文も楽しく読めたことが伝わればいいという気もする。だけど、あえて深い感想文に ちょう戦するということをやってみてもいいよね。というか、ボクはやって ほしい。

そうだなあ、たとえば、「いったいなんなんだ、この本は?」という見方をしてみる。それから、どうしておもしろいのかを追求してみる。「作者のメッセージはなんだろう?」という考え方もあるね。

全体をとらえて考えるか、ある部分を切り取って考えるかでも内容はちがってくるよ。「登場人物たちから見たハリー・ポッター」というのもありだしね。

作者になりきって語る、あるいはハリーになりきって語るという方法で見えてくることもあるだろう。

もう一つ。三冊通してのハリーの成長ぶりや「これからどうなるんだ」と  いうことに目を向けてもいいよね。

 

・ハリーの秘密をさぐろう

シリーズが進むにつれて、ハリーの過去の秘密が少しずつ明らかになってきたよね。そこがボクにはとてもおもしろい。

ハリーは、ある運命を持って生まれた子だ(そして、じつは、ボクたち一人一人もそうだと言える)。ハリーはなんのために生まれてきたのか?ハリーとは何者なのか?これ、取り組みがいがあるテーマだと思うよ。

 

・ポイントをしぼれ

こんなふうに、この本の感想文はよほどポイントをしぼらないと、まとめ きれないだろう。だけど、それだけにやりがいがある。そして、感想文の内容は、すべてきみの読み方、考え方にかかっているんだ。

さあ、ここまで言ったら、「やってやろうじゃないの!」と思ってくれる  よね?きみの感想文に期待してるぜ。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック

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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

J・K・ローリング・作 松岡佑子・訳 / 静山社