きみの意見を伝えよう

「何をよんだか」

「どう読んだか」

「どう思ったか」

感想文とは、この三つだと思ってほしい。

 

この三つで、ひとつだけ大切なものをあげるなら「どう読んだか」だ。

「もし主人公だったら……」とか「自分なら……」というように考える人はいる。それもいい。

でもハイレベル感想文をめざすなら。テーマそのものをズバッ考えていったらどうだろう。

 

☆「こう思いました」と言わなくてもいい

テーマとは「なんのためにこの作品が作られたか」ということだ。

テーマはひとつだけではない。「一冊の本から、どれだけテーマを見つけられるか」そんなことに挑戦してみるのもいい。

きみはどんなテーマを見つけたか、それを書くだけで、それは君の意見になる。「私はこう思いました」という文を作らなくても意見は言えるんだ。きみの読み方や考え方、感覚が意見になるんだね。

意見というのは、こんなふうに幅の広いものだと知っておくことだ。

 

☆めざすは読書読解感想文だ

 

「楽しかった」「おもしろかった」「かなしかった」「感動した」

感想の言葉をいっぱい知っていたら、かんたんに感想文が書ける。

しかし、めざすのは、そんな感想文じゃない。

ハイレバルな感想文を書くなら「どこに注目して、どう読んだのか」そのこだわりがないと、のっぺらとしたつまらない感想になるんだ。

読解力が感想を決定する。本を、ただの楽しみで読むのでなく、考える材料にするために読むのなら、その本を分析して、読解しなくてはならないんだ。

 

 

※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文書き方ドリル(2011年)