読書(どくしょ)感想(かんそう)文(ぶん)――このかんじ五(ご)文字(もじ)は、いやな感(かん)じがするかもしれない。
だからといって、あらすじをかいておわりっていうのはなさけない。これまで言(い)ってきたように、考(かんが)え方(かた)ひとつ、読(よ)み方(かた)ひとつで、いくらでもテーマは出(で)てくるんだよ。
君(きみ)の考(かんが)えたことを、とことんかいてかいてかきまくってみようよ。
「ボクはこう読(よ)んだ」
「この物語(ものがたり)には、こういううたがいがある」
そうなんだナ。でも、読(よ)んでどう思(おも)ったかだけじゃなくて、
「ボクはこう読(よ)みました。それで、このことについて、こういうふうに考(かんが)えました」
というように、自分(じぶん)のいけんを書(か)くということが、正(ただ)しい読書(どくしょ)感想(かんそう)文(ぶん)っていうヤツなんだ。
本(ほん)に対(たい)して、どんどんいけんをぶつけていくってことを考(かんが)えてみると、本っていうのは、学校(がっこう)のようなものだっていえるんじゃないかい。
学校(がっこう)っていうのはある年月(ねんげつ)がたてば、そつぎょう、おめでとうってことになるけど、本は一生(いっしょう)のもの。一生(いっしょう)の先生(せんせい)なんだ。
学校(がっこう)が君(きみ)を出(だ)しても、本(ほん)が君(きみ)をほうり出(だ)すことはない。だから、どんどん本(ほん)に対(たい)して、意見(いけん)を言(い)ってやろうよ。本はぜったいにおこったりしないんだからね。
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※出典:きみにも読書感想文が書けるよ パート2(1・2・3年向)(1990年)