梨屋アリエ作 菅野由貴子絵 文研出版
さあいらっしゃい。いらっしゃい。心の大売り出しだ。安いよ。足りない心、欠けた心、持ち合わせのない心、なかなか手に入らない心、ここに取り揃えてありますよ。
さあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。特別に見えるようにしてますから、得心がいくまでごろうじろ。・・・・
なんてね。このタイトルからはそんな光景をつい想像してしまう。読んだら分かるが似たようなものだった。こころを売っているココロ屋。その店長ウツロイ博士。売るんじゃなくて交換してたね。さすがにうるという設定には無理があるか。心は買うもんじゃないなどと怒鳴りこまれそうだ。
ボクは心はともかくいずれ、人の臓器など売る店が出来ると思っている。「こんにちは胃ください」みたいにね。「はい、どれがいいかなー」などとやり取りする。
臓器移植とか臓器再生とかやってるよね。いずれ進化したらそんな交換の時が来る。人の体がロボットの部品のように。そんな光景も想像してごらん。ここできっと意見は分かれる。それいいという人とそれはしてはいけないという人。議論になるだろう。しかしきつと科学的進歩が優先していくことになる。そして人類は寿命もパワーも伸び、宇宙に飛び立つようなそんな気がする。
この本を読み終えて、そんなちょっと別なことに思いが走ってしまった。
交換も売ることも、多分できないものはない。ただそうしていいかどうか、するかどうかが残るだけだ。
<続きは「とっちゃまんの読書感想文書き方ドリル2012」で>