ある水(すい)よう日(び)のこと。村(むら)のおばさんのバケツから水(みず)がひとしずくとび出(だ)して長(なが)い長(なが)いたびに出(で)た。とび出(で)たところはうらにわで、ほこりでしずくはねずみ色(いろ)。では、せんたくやに行(い)ってみよう。きれいにしてもらえるだろう。しずくはそう考(かんが)えた。しずくのぼうけんははじまったばかり。
いったいどんなぼうけんがまっているのだろう。
◎とっちゃまんのここにちゅうもく!
イラストもお話(はなし)もカワイイ本(ほん)。でも、カワイイだけじゃないんだよね。
お話(はなし)は、歌(うた)うようにながれていく。でも、でも……。しずくのぼうけんにおわりはあるのかな?はじまりはどこなんだろう?ううん、いろいろ考(かんが)えてしまうおもしろい本(ほん)だ。
・水って何だ?
ボクはきれいずきのしずくが、「なんてきたないの」というところにドキッとしたよ。水(みず)はもともとはよごれていないんだ!
そして、ボクたちは、水(みず)なしでは生(い)きていけない。生(い)きてるものはみんなそうなんだよ。人(ひと)も、どうぶつも、しょくぶつも。
きみは、これまで水(みず)について考(かんが)えてみたことがあった?この本(ほん)を読(よ)むと、「水(みず)って何(なん)だ?」って考(かんが)えちゃうよね。
・水(みず)のぼうけん
しずくはすごいぼうけんをしているね。地下(ちか)にもぐったり、空(そら)にきえたり、雨(あめ)になったり、こおりになったり。こんなにめぐりめぐっているなんてすごいよね。
今(いま)、目(め)の前(まえ)にあるコップの水(みず)のひとしずくも、きっといろいろなぼうけんをしてきたたび人(びと)なんだ。すごいなあ。
そう考(かんが)えると、水(みず)のひとしずくがとっても大切(たいせつ)に思(おも)えてくるよね。
きみのうちの水(みず)のじゃ口(ぐち)をちょっとひねってごらん。雨(あめ)のひとしずくを見(み)てごらん。しずくたちがどんなぼうけんをしてきたのか、目(め)をつぶってそうぞうしてみるといいね。きみは水(みず)から何(なに)を感(かん)じ、何(なに)を思(おも)い、何(なに)を知(し)っていくか……。
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※出典:読書感想文おたすけブック
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しずくのぼうけん
マリア・テルリコフスカ・作 ボブダン・ブテンコ・絵 / 福音館書店
うちだりさこ・訳