アンナ・ケンプ 作 サラ・オギルヴィー絵 角野栄子訳 BL出版
このイラストがいいね。サイが可愛らしく見えた来る。絵の力はなかなか大きい。この絵についての感想なども書いていいように思う。本は文だけで出来ているんじゃないものね。
紫のサイ。この色感がいい。最後に出てくるピンクのシロクマというのも。
この動物はこんな色にしたらいいと思ったことはないかな。何でもリアルならいいと云うものじゃない。そこに君の想像や感覚が発揮される。何でもそんなことあるわけないジャンということにあえて挑戦していくことに意味があるんだ。そのままならそのままだからね。
この話。あり得ないと思って、それだから気楽に読みことが出来る。それだけでも君に大切なことを教えようとしている。
あり得ないことを考えて想像を膨らませてますますます逞しくして言って、それでいいんだよと。それが大切なことなんだよと。
でないと、これはこれ。これはこう。と定式のままに物事を処理して終わりにしてします。それも大切だがそれと同じくらいこういうことも大切だと教えている。
よく、「そんな空想ばかり言ってないで現実を見なさい」とか大人は言う。そしてそうなのか、空想は現実離れしているから駄目なのかと思ってしまつたりする。しかしね、よーく考えてごらん。まったくの空想・想像というものがあるかということをだ。知っていることを引き延ばしたり、膨らませたり、改造したり、合体させたり、・・・。実は現実にあって知っているものを材料としてそれを元にしているんだ。
それも考えるということでは全く正当なことなんだね。
むしろそうした方が現実や現実の見方が゛よりはっきりするということにもなる。だから小説などでも空想ものが少なくない。いやほとんどが想像したものだと言ったっていい。
この話はボクたちに自由に思いめぐらすことの楽しさや醍醐味を教えてくれている。
<続きは「とっちゃまんの読書感想文書き方ドリル2012」で>