感想文を書きやすい本、それは、自分の意見を書きやすい本ということでもある。
◇「なぜ?」のある本を選ぶ
好きなテーマの読みたい本を選んだらいいに決まっている。それは自由だ。しかし、その自由だけに甘えていては苦労することになる。
「なぜ」の問いを持ちやすい本を選ぶといい。それには、テーマが明確で、君に考えさせる要素がある本である必要がある。
売れている本だからいい本ということではない。自分の今の関心に対応するものでいい。無理な背伸びをすると本に取り込まれてしまう。
ただ読むための本と、感想文を書くための本を分けてもいい。消化できないものは書ききれないよ。自分の意見が明確になりそうなものを選ぶことだ。
◇短編や絵本を選ぶ
短く濃縮した作品には、意外に奥行きがあって、いろんな観点で読むことができる。
ボクは高学年でも、絵本を題材にしていいと思っている。長編は、短い作品で訓練し、慣れてから自分の力量と相談しながらやればいい。
◇古典を選ぶ
最近は読者に迎合して、共感を求めようとする本が増えてきた。そんな本の生命力は弱い。長く残らない。これは音楽や絵画でもそうだ。
残っているものには、やはり何か人を動かすものがある。明治時代や大正時代だって多くの本が出版された。しかし、今も残っているのはほんの一部。歴史に濾過されたということかな。そんな本は一読の価値がある。
新刊や娯楽の本だけを追わないことだ。消化でなく消費になってします。ボクも多くの新刊を読むけれど、これはいいなという本は少なくなっている。
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※出典:読書感想文書くときブック(2010年)