スズメの大研究 人間にいちばん近い鳥のひみつ

みんな、「したきりすずめ」のお話、知っているよね?スズメは昔話に出てくるほど、日本人になじみの深い鳥だ。だけど、スズメが何を食べ、どんな生活をしているのかは、意外に知らないんじやないかな?

この本は、スズメの巣作り、好物から、人間とのかかわりや歴史まで、スズメのことをバッチリまとめたおもしろ本だ。

作者は、スズメは「地球環境の未来を、いちばんよく知っていて、わたしたちに指ししめしてくれる」と言う。きみもこの本を読んで、もっとスズメとなかよくなろう。スズメの大研究を始めよう。

 

◎とっちゃまんのここに注目!

作者はいろんなところへ行って、スズメの話を聞く。関係のある本をたくさん読む。昔の本も調べる。そういう細かな研究が積み上げられて、この本ができ上がっている。その材料の多さにはビックリだね。

ボクは読みながら何回も「へえ~!」と思った。時間をかけて研究した人の本から、一瞬にして大切なことを知ることができるんだから、本っていうのはいいもんだなあ!

 

・「へえ~!」を見つけよう

ボクはまず、スズメの子育てに感心してしまった。一日三百回以上もえさを運ぶなんてすごいよね。ひなはおなかをこわさないのかな?

それから、スズメをならした人の話や、赤ちゃんスズメを育てた人の話もおもしろかった。やればできるんだ。でも、その人にしかできない、何かがあるんだろうな。それが何かはもっと考えたいと思った。

きみもこの本を読んで、「へえ~!」「すごい!」「そうだったんだ」と思うところがあったら、その発見やおどろきを中心に感想文を書いてみるのもいいんじゃないかな。きょう味を持ったことを、きみ自身が調べるということもできる。この本をもとに、きみの研究が生まれたらすごいな。

 

・作者のメッセージを読みとれ!

ボクはてっきりスズメって害鳥だと思っていたんだけど、プロイセンや中国でのスズメ退治の結果を知って、なるほどと思った。スズメは見えないところで役に立ってくれていたんだね。スズメを知るということは、人間のくらしを知るということにもつながるんだね。

さて、そのスズメに危機がおとずれているという。世界で、もちろん日本でも、スズメがへってきているらしい。

原因は何か。ボクたちはどうすればいいのか。これは作者から投げかけられた大きなテーマだ。「自然を守ろう」といった、通りいっぺんの言葉でおしまいにせず、深く考える必要がありそうだね。

作者はそのヒントをいろいろな角度から語っている。ヒントを読み落とさないようにしよう。この本はスズメの研究の本だけど、おくには深いメッセージがかくされているんだ。

 

・感想文のポイントは?

先に言った、「へえ~!」という感想文が書けたらオーケーだけど、きみがふだん感じている環境の問題などもからめて考えると、さらにいい感想文になるだろう。自分の意見をしっかり持つことが大切だよ。

ボクは「イエスズメの日本侵略」が気になる。「スズメの警告」も気になる。この本を読んでから、やたらとスズメに目が行くようになった。スズメがいなくなったらさびしい。こまる。いやいや、先にいなくなるのは人間のほうかもしれない……。

 

 

※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
※無断での転用・転載を禁じます。

※出典:読書感想文おたすけブック(2005年)

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スズメの大研究

人間にいちばん近い鳥のひみつ

国松俊英・文 関口シュン・絵 / PHP研究所