神沢利子・作 堀内誠一・絵 / あかね書房
ふらいばんじいさんは、たまごをやくのが大(だい)すきなおなべのじいさん。ある日(ひ)おくさんが新(あたら)しいめだまやきなべを買(か)ってきた!じいさんはもうたまごやきをやくことができなくなってしまった。それを見(み)たごきぶりが言(い)ったんだ、「くよくよしていないでたびに出(で)たらどうだい」って。
そこでじいさんは、外(そと)のせかいへたびだった。
◎とっちゃまんのここにちゅうもく!
この本(ほん)、読(よ)んでみてどうだった?
いつもはたまごをやいたりする台(だい)どころのフライパン。それがとうとう鳥(とり)たちのすをまもることになる。おもしろいお話(はなし)だね。なんてったってフライパンがたびをするんだもの。海(うみ)に入(はい)ったり、さばくに行(い)ったり。さいごは木(き)の上(うえ)だなんてね。
・フライパンって?
フライパンのしごとは、やく、いためる、あげる……。ほとんどはボクらが
食(た)べるものをりょうりするための道(どう)ぐ。たまごやきなんか、よく作(つく)るね。
だからこのフライパンは、たまごをおいかけた。でも、けっきょく、木(き)の上(うえ)で鳥(とり)のすになっちゃった。そこでたまごから鳥(とり)をかえしている。ちょっと
むずかしいけど、ころすがわからそだてるがわにかわっちゃったんだ。楽(たの)しいお話(はなし)だけど、ストーリーのおくにはそんなことも読(よ)みとれるね。
・べんりなもの
たしかに、しぜんの中(なか)でもフライパンはべんりなものかもしれないよね。黒(くろ)いから、たいようの光(ひかり)をうけてあたたまりやすい。そこにすを作(つく)ったらポカポカ。雨(あめ)はたまるかもしれないけど…。じょうぶだからこわれにくい。
りょうりの道(どう)ぐだけど、しぜんの中(なか)におけばもっとちがうつかい方(かた)があるのかもしれない。それこそリサイクルだね。やくわりをおえたからバイバイ、ではない。いろんなやくわりを見(み)つけていきたいね。ということは、このお話(はなし)のかんそうは、ゴミやリサイクルのもんだいにも行(い)っちゃうということだ。
そして、フライパンとそのたびからえたものをさがすことも大切(たいせつ)。こんな読(よ)み方(かた)もしてみようよ。
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※出典:読書感想文おたすけブック