イシガメは、日本だけにいるカメ。動物カメラマンである著者は、子どものころ出会ったイシガメがどんなふうにくらしているのか自分の目でたしかめたくなって、故郷の淡路島で観察を始める。
知っているようで知らないカメの生態――。野生のイシガメはどこでどうくらしているのか。産卵の写真は撮れるのだろうか。
「自然のできごとには、人間が手出しをしないほうがいい」、「動物にめいわくをかける動物カメラマンなら、いないほうがいい」という考えの作者は、イシガメの最高の理解者。そんな作者が見せてくれる、野生のイシガメの感動の記録。
◎とっちゃまんのここに注目!
作者の徹底的な観察がまとめられている写真の本。この本では、まず、野生の生き物、イシガメの生態をつかむこと。イシガメの成長や生活を作者といっしょになって追いかけて、とらえきることが大事だね。
作者は故郷に帰って、そこでイシガメを観察した。観察を続けながら、たくさんのことを学習し、発見した。きみも、「へえ、なるほど!」と感心しながら読んで、しっかり学習してほしい。
イシガメ、おもしろいよ!
・カメという存在
カメはボクたちにとって身近な生き物だよね。「ウサギとカメ」の話や「浦島太郎」のカメはすっかりおなじみ。長生きでえんぎがいいといわれているし、ベットとしてかっている人も多い。かったことがある子、いるよね?
じつは、ボクももともとカメが好きなんだけど、この本を読んで、ますますカメがいとおしくなった。
何といってもユーモラスだよね、すがたも歩みも動きも。首を引っこめたりするようすも何ともいえずいいし、堅実そうな生き方がゆかしい。イシガメも、ずうっと遠い祖先からつながって生きているんだよなあと思うと、ジーンとしてしまう。
一方、輸入されたカメを買って育てて、あきて、すててしまう人がいるという話もよく聞く。日本の自然は大きく変わった、生態系も変わってきたという報道にふれることも多い。日本の自然はどうなるんだろう?心細い。これも、カメから見える問題だね。
・感想文はどう書こう?
まず、作者と一体になって読み進めて、読み終わったら自分に返って、
作者との考え方のちがいを見つけるという、真っ向勝負の方法があるね。
作者のメッセージを読みとることも大切。
おしまいの「イシガメがおしえてくれたこと」はとくにじっくり読んでみるといい。
自然や動物、生命についての作者の考え方をしっかり読みとって、
自分の意見をつくってほしい。きみがふだん感じている、
自然環境や野生動物の問題を中心に考えてみるのもいい。「へぇ~!」「そうだったんだ!」と思
うところ
を見つけて、その発見やおどろきを中心に感想文を書いてみるすなお作戦もオーケー。
イシガメはきみに何を教えてくれたかな?
また、観察のデータや、写真からわかったことをもとにして、
きみオリジナルの「イシガメレポート」をまとめる方法もある。
興味があることはほかの本でも調べて、イシガメについて研究しつくそう。
カメにまつわることわざや物語、歌なんかも、いい材料になるよ。感想文は楽しくね1
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文おたすけブック(2006年)
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イシガメの里
松久保晃作・文・写真 / 小峰書店