大草原の小さな家

大草原の小さな家

ローラ=インガルス=ワイルダー・作

こだまともこ 渡辺南都子・訳 / 講談社

昔むかし、ローラの一家はアメリカの中部、ウィスコンシン州の「大きな森の小さな家」に住んでいた。しかし、父さんは決心した。「大きな森は人が多すぎる、もうだめだ。ひっこそう」。

そこで、インガルス一家――父さんと母さんとメアリーとローラ、赤ん坊のキャリーは、小さな家の家財の全部(ベッドとテーブルといすのほかは。それらは父さんがかんたんに作れるから)を幌馬車に積んで、アメリカの西部の大草原を目ざして出発した。

出発してすぐ川をわたるとき、犬のジャックがいなくなった。おぼれてしまったのか?一家は必死でさがすが……。

◎とっちゃまんのここに注目!

長いことテレビで放送されていたドラマの原作。きみは見たことがあるかな?不思議なもので、本を読んでいると、どうしてもテレビのシーンが頭に うかぶ。もしも見ていなかったら、きっとちがう光景がうかんだんだろうな。 人の想像空間って、おもしろい。

今回ボクは、できるだけテレビとはちがう場面や人を思いうかべようとしながら読んでみた。

「この本が伝えようとしていることって何だろう?」、そんなことも考え たよ。

・インガルス一家のたくましさ

インガルス一家は、馬車で新天地を求めて移動する。「このあたりにしま  しょうか」という土地に家を作ることから始める。これって、考えてみれば  すごいことだ。一から生活を作る、ということ。人が生きていくための衣服、家、食べもの、安全。そのために必要な知識と技術。これらを自分たちの手でつかんでいくしかないんだね。

この本に登場してくる人たちの持っているたくましさとは何か。それをきみに考えてほしいと思う。

・自由と責任

人はどこにでも住むことができ、どこででも生きていける――歴史を見ると、アメリカはそのことを実験していった国だということがわかる。

「自由」の国ということだね。

そしてこの物語も、「自由」との戦いの物語と見ることもできるね。

「自由」には、とんでもないきびしさやがまん、責任や危険もついてくる。そのことを、ローラの物語は教えてくれているような気がするよ。そんなことも考えてみてほしいな。

・感想文のポイントは?

まず、この物語に登場する人たちの考え方、生き方。それを、かれらの行動や言葉から見つけてごらん。

大きな自然の中で生きていく意味と、「小さな家」という、題名にこめられた意味。これもテーマになるね。

ローラが政府のやり方に疑問を持つところがある。これはすごいことだと  ボクは思う。そして、パパは何と答えたか。この部分について考えてみるのも  いい。

それから、家を後にしていくとき、パパが何を語ったか。家族は何を思ったか。役人への思いはどうだったか。ここに切りこんでもいいね。

もちろん、「自由」や「戦い」についての感想文もありだ。

それにしても、ローラの一家は人がいい。よく働くし、助け合って生きていく。今の日本に、こんな人たちがたくさんいたらいいのにな。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック