ダレン・シャンⅦ-真夜中の同志-

バンパイア一族とバンパニーズ一族は 六百年の平和な時代をすごした あと、血で血をあらうはげしい戦争を始めた。ミスター・タイニーの予言に  よれば、この先十ニヵ月のあいだにバンパニーズ大王をたおせなければ、  バンパイア一族はほろびてしまうという。

大王をたおせるバンパイアは三人だけ。元帥のバンチャ・マーチ、元将軍のラーテン・クレプスリー、そして、半バンパイアで元帥となった「ぼく」、   ダレン・シャンだ。

大王をたおすチャンスはあとわずか二回。「ぼく」は決心も新たに大王を  たおす旅をつづけるが、絶体絶命の窮地に……!

大人気シリーズの第八巻。ダレン・シャンの運命はどうなる……?

◎とっちゃまんのここに注目!

今年もやっぱりこの本だね!

つくづく思うんだけど、最近はこの本のように、異次元モノで、ホラー性があり、スリルたっぷりという冒険活劇が、世界的に人気だね。

なぜ世界はこの手の本をスターダムに押し上げたか?その秘密と世界の 読者の傾向を分析してみるのもいいかもしれない。

これからは、日本のベストセラーではなく、世界のベストセラーという  とらえ方をしないとね。グローバリズムはちゃくちゃくと進んでいるのだ。

そして、そんな視点を持てるなら、スゴイ読書感想文が書けるだろう。

 

考えるポイント!

1 ダレン・シャンは元帥になった。力をつけたよねえ。学校に通う部分が  おもしろい。かつてのガールフレンドとの再会、親友との再会。スティーブは誤解したまま、ダレンを罠に陥れる。

人の誤解とはこわいものだ。一つの真実が、理解のしようによって、まったく違うものになってしまう。しかもそれによって、運命が変えられても  いく。

言葉をつくしても、理解されないことはままある。ボクたちは何によって、「真実」を知っていくのだろうか?理解を得るためには、どうすればいい      んだろう?今回は、懐かしい出会いがあって、よけい、この問題がくっきり浮かび上がってきている。

さて、きみはどう考える?

2 会話が多くて、しかも、なかなかしゃれた会話がかわされているという のが、この本の特徴の一つだ。何度か笑ってしまうところがある。軽妙で、知的だ。ドラマ性があるんだよね。

この特徴を、ほかの本と比べてみるのもいいと思う。歴史のなかで「文学」の世界が変化してきていることを実感できるはずだ。

3 ボクたちは、物語のストーリーと展開を楽しんでいる。これはエンタテインメント(娯楽)だよね。読むことを楽しんで、「おもしろかった!」でいいはずだ。そういう種類の楽しみのなかから、「何か」をひき出そうとするのは(たとえば、感想文を書くために)、なかなか大変なことだ。ちょっと無理と苦労をしなければならない。

どうしようか?そのおもしろさの根拠をさがしてみるといいかもしれ  ない。つまり、「この本の何がおもしろいのか」を、自分なりに確認する   作業だね。そういう感想文があってもいいと思う。

4 こんな方法はどうかな?読み終わった後の自分の気持ちを、そのままわーっと書いてしまう。「今、読み終わった。うーん、今回もドキドキしちゃってつかれたよ~」というようにね。友だちに話すみたいにさ。これが、一番のおススメ。

リアルタイムの感想、思いをストレートに書く方法が、この本にはピッタリするように思えるんだ。

それにしても、いつもいいところで終わるよな~。次の本が待ち遠しい。  次はどうなるんだろう?謎の持ちこしで、次も読まないわけにはいかなくなったじゃないか。まあ、そういう期待を持たせてくれる本って、うれしいんだけどさ。

この本は、そういう意味でハマる本だよね。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック

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ダレン・シャンⅦ-真夜中の同志-

ダレン・シャン・作 橋本恵・訳 / 小学館