及川和男・文 長野ヒデ子・絵 / 岩崎書店
エリちゃんの おとなりにすんでしる ルミさんは、盲学校の先生を している。
夏休み入って すぐの朝、「エリちゃん、たすけてぇー」って、さけび声が 聞こえてきた。
たいへん! 目が見えない ルミさんすべってころんじゃったんだ。おなかに赤ちゃんがいるのに。
エリちゃんは むちゅうで、119番に電話した……。
◎とっちゃまんのここにちゅうもく!
ドキドキするお話だよね。目の見えないルミさんが赤ちゃんをうむ。「いのちは見える」という。見えないのに見えるって、どういうことだろう?いのちが見えるって、どういういみだろう?いのちって、なんだろう?きみには、「いのち」、見えているかな?
・考えるポイントは?
1 ルミさんが かんじた「いのち」とは、なんだろう。ルミさんには、何がどう 見えているのだろう。このこと、ううんと考えてみよう。
2 ボクたちには、見えているのに、見えていないというものが いっぱい ありそうだ。さがしてみたいね。
ぎゃくのそうぞうをしてみると、いいよ。「見えないけれど、見えるもの」って、考えてみよう。
3 ルミさんの教室でのおはなしは、しっかり読んでおこう。本を読むみんなへのメッセージがこめられていると思うよ。
4 「ルミさんは、こう言っていたけれど、わたしはこう思う」、「ルミさんはこう言いたかったんじゃないかな」。
そんなふうに、一歩ふみこんで考えてみることがだいじ。
5 のぞみちゃんが生まれるとき、いろいろな人が見まもっていたね。生まれてからも、学校でたくさんの人がのぞみちゃんをだっこしてたね。
小さないのちが、いろんないのちと出会っていく。
いのちは、ひとりひとりの ものだけれど、たくさんのつながりの中で 生きていくんだな。そんなことも考えてみたい。
生まれるいのちがあるいっぽうで、せんそうできえていく いのちもある。ボクは、ふと、そんなことも思った。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
※無断での転用・転載を禁じます。
※出典:読書感想文おたすけブック(2003年)
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いのちは見えるよ
及川和男・文 長野ヒデ子・絵 / 岩崎書店