泣(な)いた赤(あか)おに

泣(な)いた赤(あか)おに

浜田廣介・作 / 小学館

どこかの山(やま)のがけのところに、たったひとりですんでいる赤(あか)おには、人間(にんげん)のなかまになりたくてたまりませんでした。そこで、ある日(ひ)、家(いえ)の前(まえ)に立(た)てふだを立(た)てました。

「ココロノヤサシイオニノウチデス。ドナタモオイデクダサイ。」

人間(にんげん)は赤(あか)おにのなかまになってくれるのでしょうか?

 

◎とっちゃまんのここにちゅうもく!

これ、すごい話(はなし)だと思(おも)うよ。ボクはこの話(はなし)、まい年(とし)のように作文(さくぶん)教室(きょうしつ)のみんなと読(よ)んで、いろいろ話(はな)し合(あ)っているんだ。子(こ)どもも、おとなもいろいろな

読(よ)み方(かた)ができるってところがすごいんだ。

 

・どうして友(とも)だちになりたかったの?

なぜ赤(あか)おには、人間(にんげん)と友(とも)だちになりたかったのかな?まあ、この気(き)もち、当(あ)たり前(まえ)と言(い)えば、当(あ)たり前(まえ)だけどね。人(ひと)ってさ、いろんな人(ひと)と友(とも)だちになっていかなきゃね。

おにと人間(にんげん)の場合(ばあい)は?そうだな、ちょつとふくざつなこともあるけど、なかよくなるために、何(なに)かをのりこえなくちゃならないのは同(おな)じ。「しんらい」し合(あ)うためにね。

 

・青(あお)おにくんのこと

だけど、もっとふかくさぐってみたいよね、なぜ赤(あか)おには人間(にんげん)と友(とも)だちになりたかったのかってこと。

赤(あか)おにには親友(しんゆう)、青(あお)おにくんがいる。親友(しんゆう)って、ひとりいればいいんじゃないの?そして、赤(あか)おにが人間(にんげん)となかよくなるために、青(あお)おにが「ぎせい」になった。おいおい、いいの?ぎもんがたくさん生(う)まれてくる。

そう。青(あお)おにのことを考(かんが)えると、きみのい見(けん)、広(ひろ)がると思(おも)うな。

 

・おき手紙(てがみ)のこと

青(あお)おにの手紙(てがみ)は、この話(はなし)のたいへんだいじなポイントだよ。

青(あお)おには、赤(あか)おにの心(こころ)に、ことばのナイフをさしていなくなった。どうしてこんな手紙(てがみ)をのこしたんだ?やさしい手紙(てがみ)にもとれるけど、「いやみ」にも思(おも)えるね。そしてその後(ご)の赤(あか)おには?ほんとうの友(とも)だちはできたのかな?考(かんが)えてみたいところだね。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック