そろそろわかってきたよね。ただ読んでいるだけじゃない。考えながら読んでるよね。
いったいなんなんだ、この話は。
なにを言いたいんだろう。
この話を作った「もくてき」ってなんだろうか。
なにを読みとったらいいのかな。
これ「ぎもん」だなー。
ボクならこう考えちゃうなー。
ここ、いいこと言ってるジャン。
ここ、問題だなー。よくないなー。アホちゃうか。
そんなことを思いながら読んでいくと、考える読みかたができる。この中の一つでもパッとつかんだら、もう書ける。もちろん正しい答えはない。きみの考えたとおりでいい。
【なにを書けばいいか】
なんでもいい。本を読んだのだから、その本についてだけ書くという決まりがあるわけでもない。作文とおなじだよ。その読んだ本は一つの題材(材料)なんだ。エピソード・できごとと思ってくれてもいい。
「学校でなかまはずれにされた。そんなときにふとママの本だなの、『星の王子様』という本が目についた。いつもは気にならないけど、なんとなく読んでみた。とってもやさしい文だ。しずかで心がおちついた。読んでいくと……」なんていうふうに、本との出会いから書いてもいいよね。
「なんでアンタばっかりおひめ様の役なのよ。くやしいわー。クラスのエミちゃんはいつもいい役ばかり。わたしはけらいみたい。いいモン。白雪ひめを読むモン。この話は……」とかね。
「感想文書かないとゲームしちゃダメと言われた。ひどいな。取り引きだよな。ボクはブツブツ言いながら、本をひらいた。読んでいくと笑い出してしまった。ボクとそっくりな子がいるんだもの……」とか。
「わたし、この本キライ。わざとらしいもの。子どもにいいことばかり見せようとしているもの。おしつけだもの……」なんてのもいい。
しぜんにいきなよ。かたの力をぬいてさ。うまく書こうとせずに自分なりに書こうとすることだよ。
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※出典:これで読書感想文の名人だ