斎藤隆介・作 滝平二郎・絵 / 理論社
長松(ちょうまつ)(チョンマ)は、もう十二なので、まだ三つの妹のウメのめんどうを 見てやっている。ウメはしもやけがひどい。その手当てをするとき、かならずいたがってなくのだ。そこで長松は まゆげを八の字に下げてしたをベロっと出してやる。するとウメは、思わず わらいだしてしまう。その間に さっと手当てをしてしまうのだ。この長松の村で心ぱいごとが。
◎とっちゃまんのここにちゅうもく!
この本、読んでみてどうだった?
名作だね。とっちゃまんも これ はまってしまった。だって 考えさせられる ことばかりだもの。
この本には、いくつかのさくひんが おさめられているね。だから、その中の一さくひんについて考えてみるといい。
・花咲き山
みじかいお話だけど ジーンとくるね。やさしいことを ひとつすると山にひとつ花がさく。いのちをすてて やさしいことをすると山が生まれる……。
そのときには だれにも気づかれないことでも、ちゃんとわかってくれる 場しょ(人)があるということかな。
・べ口出しチョンマ
きみはこうやって あいてをわらわせることができるかな。きみだったら どんなことを考え、どのような行どうをとったかな?
さいごにおどけて 妹のウメのこわさをなごませる。長松のこの生き方、 きみはどう思ったかな。いのちをかけて生きるおもみを読みとってほしい。
・寒い母
これはとなりの国(朝鮮)のお話。あいする人のところへ行く母のために 子どもたちがみんなでしたこと。ことばでなくても わかり合える。ここに 親子のあいじょうが見えてくるね。
この本、かなしいお話が多い。でも、強さってなんだろう、生きぬく力、 生きる力ってなんだろう。そんなことをしんけんに 考えさせられる本だね。
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※出典:読書感想文おたすけブック