ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリー・ポッターは、十一才の男の子。緑色の目とくしゃくしゃな黒髪をしている。額(ひたい)には稲妻型の傷がある。実は本人も知らなかったんだけど、魔法使いだったんだよね……。

ホグワーツ魔法学校に入学したハリーは、いそがしくも楽しい日々を送る。つらいこともあるけれど、親友だってできた。

二年生になったハリーたちを待っていたのは、きみょうな事件の数々……。そしてなぜかいつも現場にいたハリーに疑いがかかる。真犯人はだれか?そして秘密の部屋とはなんなのか?ハリーは、友だちの助けを借りて、数々のなぞに立ち向かう。

◎とっちゃんまんのここに注目!

さて、魔法学校のハリーの登場だ。子どもだけでなく、オトナも夢中、世界中でベストセーになっているすごい本。何回読んでもそのたびにおもしろい本だよね。

まずテンポがいい。次々にくり出される場面やセリフに、途中でやめられなくなっちゃう。因縁(いんねん)の対決。出生の秘密。

あらゆる要素が入っているね。ゲームソフトの数倍の質と内容がつまってる。うん、痛快(つうかい)、痛快。

・魔法魔術学校

あったらいいよね「もしも」の世界。魔法使いに、魔法のつえ、魔女。わくわくしちゃうよね。

ところで、魔法って何なんだろう。ハリーは魔法使いになっても、おばさん夫婦にいじめられたり、監禁(かんきん)されたりしてるよね。道具がなきゃ魔法が使えないというのは、何かオカシイ。何が魔法?魔法って何?……な~んて、ちょっとキツイことも聞いてみたいなあ。

・魔法省

あっちの世界にも決まりやルールがあるんだね。魔法の世界といえど、自由とはいえないんだ。

力って、規制されなくてはいけないモノであり、監視されなくてはいけないモノなんだよね。うん、たしかにそうだ、何もかも好き勝手、自分勝手というわけにはいかない。こっちの考えとしてはね。

しかし、ハリーたちにとってはどうなんだろうね。

・さて、ポイントは?

おもしろい場面の連続。ページをめくるたびに、ドキドキ。しかしそれだけに、感想文を書くためのポイントは見えにくい。

もちろん感想文は自由。何をどう書いてもいいさ。でも、どうせ感想文を書くなら、ちょっと工夫したいよね。この本、読み手の問題意識や視点の持ち方によって、いろいろな読み方ができる本でもあると思うよ。むずかしいけどね。きみには、そこにチャレンジしてほしい。

たとえば手始めとして、「なぜ」と「もしも」を使って考えてみよう。

「なぜ」と思う項目をできるだけたくさんあげて、「もしも自分だったら」「もしもあのとき~だったら」と検討してみる。この方法で、感想はかなり深くできるはず。やりがいあるぜ。

そうだ、そういえばこれは、大人気のシリーズものだった。「秘密の部屋」だけ読んで終わり、みたいなもったいないことしてないだろうね?シリーズを読破して、シリーズ本としての感想文に取り組んでもいいんじゃないかな。見えてくることも、感想もちがってくると思う。きみの大作を期待してるね。

 

 

※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
※無断での転用・転載を禁じます。

※出典:読書感想文おたすけブック

—————————————————————————————————————————————————————————————————————

ハリー・ポッターと秘密の部屋

J・K・ローリング・作 松岡佑子・訳 / 静山社