お話の主人公「ぼく」の名前は細川周兵、小学四年生。むこようしのとうちゃんと、江戸時代から続くとうふやをやってるかあちゃん、ねえちゃん、病院にいるじいちゃんの五人家族だ。学校では、先生からも「ホリンキー」とあだなでよばれている。
そんなぼくのクラスに、ペルーから転校生がやってきた。
「ぼく」の家のとうふのようにまっ白な女の子が「あたし、レベッカでーす。」とあいさつしたとき、クラスのみんなも先生もびっくりした。レベッカが、チョー美人で、日本語ができたからだ。
◎とっちゃまんのここに注目!
自分たちのくらしや「当たり前」と思っていることについて、ちゃんと自分以外の立場に立って考えられるかどうか。そういうことって大切だよね。この本は、そういうことを考えさせてくれる本。
日本はどんどん国際化していく。国際人をめざしていっしょうけんめい英語を学んでいる人たちもいるよね。
ところで、国際人って、どういうことなんだろう。どんどん海外に出かけていくのが国際人なのかな。英語がぺらぺら話せたら、国際人なの?そうじゃないよね。日本に来る外国の人たちをむかえて、ちゃんとつき合っていけるかどうか。これも、国際化への大切な試練だと思うな。
・レベッカ
この子はハキハキしているね。それこそ、「しっかり者」という感じ(これ、この本のポイント)。っていうか、レベッカって、ものおじしないんだよね。自分の意見をハッキリいう。そのへんが日本の子たちとちがうところだと、この本はいう。
さて、ここで、レベッカ的なものの見方や考え方と、日本のフツーのものの見方や考え方をくらべてみよう。ちがいを見つけることって、「知る」ことの第一歩だもんね。
彼女の目にうつる日本は、どんな日本? ボクらの目にうつっている日本とどうちがうの? この点をチェックしてみるのもいいよね。
・「あたし日本人になるのよ」
このセリフ、けっこうキク~。それから、「あたしは世界中でたった一人なんだよ」。
いいじゃん、いいじゃん!ボクは、こういうこという子ってすっごくいいな~って思うよ。
日本人は、何でも「みんなで」。これもいいね。グサッグサッと言葉のナイフが向けられてるって感じ。レベッカ、強いね。強いけど、日本の多くの人は、こういうことをこのまないのかもしれないとも思う。
こういう部分について書いたり考えたりするだけでも、OK。感想文のポイント、おさえられるんじゃないかな。
・さて、ポイントは?
国際化時代といわれてるけど、ボクらは世界に自まんできる、日本ならではの「いいもの」をなくしつつある。これって国際化なの?そうじゃないよね。ここんとこ、考えてみようじゃないか。
「そんけいできる人も思いうかばない国」なんてことも書いてあったね。こちらがわにチクチクささってくるけど、スッキリさせてもくれる本。
やっぱ、するどい見方や考え方からは、傑作が生まれるね。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文おたすけブック(2001年)
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アディオスぼくの友だち
上條さなえ・作 相沢るつ子・絵 / 学習研究社