地球の温暖化が世界的な問題としてさわがれ始めてから。ずいぶんたった。
その間にも、地球の温暖化はどんどん進行している。
世界の各地で大きな災害が起こっている。熱帯や温帯では、強大な台風が発生し、極地ではペンギンやホッキョクグマといった動物たちが絶滅の危機にひんしている。二〇〇八年五月には、インド洋で巨大なサイクロン「ナルギス」が発生して、ミャンマーでは十万人以上もの人びとがなくなった。
地球温暖化の原因は? このまま温暖化が進んだら、地球はどうなるのか?
温暖化を防ぐにはどうすればいいのか?
タイトルにある通り、地球温暖化問題はボクたち自身の問題。この一冊を手がかりに、ボクらにできる、いや、ボクらにしかできない温暖化対策を考えよう!
◎とっちゃまんのここに注目!
この本は、地球温暖化の原因と結果をボクらにつきつけ、一人一人にできる行動を示してくれている。「でないと地球はダメになる!」とうったえているよね。
じつは地球の温暖化問題は、今すぐなんとかしなければいけないとみんながわかっている問題。わかっているのに、できない。なんでかな?
事情は複雑だ。国の利益や企業の利益、個入の利益。今すぐ二酸化炭素(温室効果ガス)のはい出を減らさなければならないとわかっていても、自分たちだけが損をするのはイヤだ。だから、「一、二の三で始めよう!」とはならないのだ。
では、どうすればいいか?
ボクらが今やるべきことは、この本をよき参考書として、地球温暖化問題について考えつくすこと、そして、自分なりの見解とビジョンを持つことではないだろうか。
地球温暖化を防ぐためには何が必要か?それはどんな形、どんなシステムで具体化すればいいのか?きみにはそんなことを追求してほしい。
・自分の言葉でとらえ直そう!
この本に書かれていることは、正しい。でもだからこそ、自分の言葉でとらえ直すことが必要だとボクは思う。ボクたちは今、地球規模の問題に直面しているわけだからね。そのためには、別の資料や意見に当たること、本に書かれているその先を想像すること、こういった作業が重要になってくる。
世界は「地球を守れ!」の大合唱。オリジナルの見解を持たないと、エコ活動のムードに流されるだけになってしまうよ。
・だいたんな発想にチャレンジ!
エコ活動というのは学校でもやっているよね。「ホタルをよみがえらせよう」
という試みもあれば、植樹、カンカラ拾い、省エネ運動などもある。
だけど、何か物足りない。できることから始めようというのは大切だけれど、
もっと視野を広げてもいいんじゃないかな。「もう間に合わない」とか、「こんなことできるわけない」なんて考えていたら、何も始まらない。
江戸時代の生活を見直すとか、「学校農場+地産地消給食計画」とか、地球再生プランとか……世の中の仕組みそのものを問い直す、だいたんな発想にチャレンジしてみてもいいんじゃないかな。
・未来を想像すること
地球の未来の姿を想像してみること、これも大切。「このまま二酸化炭素(温室効果ガス)が増え続けたら三十年後の生態系はどうなっている?」「グリーンランドの氷がとけて、海面が今より六・四メートル上昇したら、世界地図はどう変わる?」というように、さまざまな条件を付けて検証してみよう。
悲惨な未来、明るい未来、いろいろな未来像をえがいてみる――。その未来予想図の中心にいるのは、きみたちだ。十年後、三十年後に、きみたちはどんな環境の社会で、どんな仕事をしているのだろう?
きみたちには、未来を変える力がある。
この国、ではなく、この地球のために、何ができるか考えてみないか?きみの知恵とアイデアに期待している。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文おたすけブック
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ぼくたち・わたしたちの地球温暖化問題
ローリー・デイヴィッド、カンブリア・ゴードン・著
朝倉和子・訳 西岡秀三・日本語版監修 / 小学館