おしいれのぼうけん

たてものには、かならずふしぎな場所(ばしょ)というものがある。さくら保育園(ほいくえん)では、おしいれがそうだ。君(きみ)の家(いえ)にだってはいったことのない場所(ばしょ)ってあるだろう。感想(かんそう)文(ぶん)をかく前(まえ)に、自分(じぶん)の家(いえ)のなかをたんけんしてみるといいよ。

◎おしいれや洋服(ようふく)だんすのなかに、かいちゅうでんとうを一つもって、じっさいにはいってみよう。さいしょは、まっくらななかで、じっとしてみる。つぎに、かいちゅうでんとうをつけて、かべのシミや木目(もくめ)のもようを見(み)てみよう。どんなふうに見(み)えるだろう。人(ひと)の顔(かお)に見(み)えたり、海(うみ)の上(うえ)にぽっかりうかんだ小島(こじま)にみえたり、世界(せかい)ちずにみえたり……。そこから、かき出(だ)してみるのもいい。

◎おしいれのなかから、外(そと)のようすを見(み)てみる。ふだん見(み)なれていたへやなのに、いつもとちがって見(み)えるはずだ。そこから、おかあさんのようすや、いつもみているテレビばんぐみをみてみよう。

◎こわいもの(どういうときに、人は「こわい」と感(かん)じるのだろう)。くらくて長(なが)いトンネルや、車(くるま)一台(いちだい)いない高速(こうそく)道路(どうろ)などが、この話(はなし)では、こわいものとしてえがかれている。でも、ふだんは、そういうものに対(たい)して、こわいって感(かん)じないよね。つまり、こわさにもさまざまなしゅるいがある。

◎ちえ。さくら保育園(ほいくえん)では、いたずらをした子(こ)がおしいれにとじこめられる。でも、さとしとあきらのかつやくによって、おしいれのなかは、大(だい)ぼうけんのできる、楽(たの)しい場所(ばしょ)になってしまう。ここで、さとしとあきらのやったことはなんだろう。おなじものでも、見方(みかた)によっては、まったくいみがちがってしまう。マイナスをプラスにしてしまう、ということもいえるし、どこも 学(まな)ぶ場(ば)・遊(あそ)びの場(ば)になってしまう、ということでもある。

 

 

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※出典:きみにも読書感想文が書けるよ

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おしいれのぼうけん

古田足日・作 田畑精一・絵 / 童心社