読書感想文を書くときには、いろんな切り口がある。
「さし絵」について、書いてもいい。
「本の形」について、書いてもいい。
「字の大きさ」について、書いてもいい。
「タイトル」について、書いてもいい。
「値段」について、書いてもいい。
「主人公の名前」について、書いたっていい。
主人公の名前だって「目的」があってつけられているんだ。
そうさ。本はね「目的」や「願い」があって作られている。本というのは、書き手の「目的」や「願い」を形にしたものなんだ。
それでいいんだ。
「本当の話」か、それとも書き手が「想像で作ったウソの話」か。それは、大した問題じゃない。想像で作った話だって、本当の話だって、本当の話を超えることができるんだ。
人はいろいろなことをする。
そこには「目的」や「願い」ふぁある。
親が子を生むのも「目的」や「願い」があるからだ。
国を作ったのもそうだ。それには、「目的」や「願い」があった。
☆この物語はなんのため?
一冊の本には「目的」や「願い」がある。
本を読むときの出発点はここだ。「この物語は、なんのために書かれたのか?」と考えることだ。そうやって、そこにある「目的」と「願い」を読み取るんだ。
「なぜ書かれたか?」と考えることから、読解はスタートする。
そうやって、本を頭の中で分解し、念入りに調べながら考えていくんだ。そうしないと、本を消化していくことはできない。
本というのは一回や二回読んだからといって、わかるものじゃない。時間がたってから読み直すと、前とはぜんぜんちがったところがおもしろく感じたりする。
その意味では、同じ本について、ほかの人はどこに関心を持ったのか、聞くのはいいことだ。
一冊の本をめぐって、どんどん議論しよう。おおぜいが同じ本を読む課題図書は、絶好のチャンスだね。
ほかの人に「どこに興味を持ったの?」と質問して、その本について、ほかの人と話してみよう。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文書き方ドリル(2011年)