まっ白(しろ)なワンピースに、いろんな色(いろ)やもようがついていく。雨(あめ)がふったら水玉(みずたま)もよう、お花(はな)ばたけもよう、星空(ほしぞら)のもよう……。こんな服(ふく)があった
らきっと楽(たの)しいだろうね。まるでカメレオンみたいだ。でも、これを着(き)てトイレにいったらどうなるんだろう、なんてバカな心配(しんぱい)をしてしまうわけです。
◎この本(ほん)からちょっと目(め)をはなして、まわりを見(み)てごらん。どれだけの色(いろ)を、見(み)つけることができるだろうか。赤(あか)、青(あお)、白(しろ)、といったえのぐやクレヨンの色(いろ)だけでなく、「目(め)のおくがくすぐったくなるようなピンク」「心(しん)ぞうがカッカしてくる赤(あか)」「からだがすいこまれそうなくらいあざやかな空(そら)のいろ」というように、自分(じぶん)だけが感(かん)じた色(いろ)を作(つく)ってみるといい。
◎赤(あか)は女(おんな)の子(こ)の色(いろ)、青(あお)は男(おとこ)の子(こ)の色(いろ)、というように、色(いろ)にもいみがあったり、きぷんをかえるやくわりがある。信号機(しんごうき)やゆうびんポスト、花(はな)よめのウエディングドレスなどがそのいい例(れい)だ。もようにしてもおなじことがいえる。水玉(みずたま)もよう、よこじまもよう、たてじまよもうでは、まったくふんいきがちがうよね。人(ひと)が目(め)でみているのは、色(いろ)とかたちの世界(せかい)だ。そこから、いろんなイメージをひろげていこう。
◎「なぜ人(ひと)は服(ふく)をきるのか」寒(さむ)さや、からだをまもるため、というのでも、、たしかにまちがいではない。でも、それだけなら、みんなおなじ色(いろ)とかたち の服(ふく)をきていればいいはずだね。君(きみ)のもっている服(ふく)をひっぱりだして見(み)てみよう。どんなときにどんな服(ふく)をきるだろうか。あるいは、君(きみ)のおとうさんや、おかあさんは?あたらしい服(ふく)を買(か)ってもらったときに、どんな気分(きぶん)になるだろう。そういったことから、服(ふく)というものがもついみを考(かんが)えてみるといい。
◎ぼくたちはさまざまな服(ふく)をきている。服(ふく)といったって、何(なに)も目(め)にみえる
服(ふく)だけじゃない。たとえば、はだかの王(おう)さまは、子(こ)どもから、「なんにもきていらっしゃらない」と言(い)われた。王(おう)さまは何(なに)もきていなかったんだけれど、まんぞくというきものは、しっかりと身(み)にまとっていたともいえる。ぼくたちだって、気(き)もちという目(め)にみえないきものをきたり、ぬいだりしている。そういった部分(ぶぶん)に目(め)をむけてほしい。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
※無断での転用・転載を禁じます。
※出典:きみにも読書感想文が書けるよ
—————————————————————————————————————————————————————————————————————
わたしのワンピース
にしまきかやこ・作 / こぐま社