ハイ、とりあえず歌(うた)ってみましょう。
イチ・ニ・サン! ♫♪♪
犬のおまわりさん 佐藤義美・作詞
まい子(ご)のまい子(ご)の子(こ)ネコちゃん
あなたのおうちはどこですか
おうちを聞(き)いてもわからない
名前(なまえ)を聞(き)いてもわからない
ニャンニャン ニャニャン
ニャンニャン ニャニャン
ないてばかりいる子(こ)ネコちゃん
犬(いぬ)のおまわりさん
こまってしまって
ワンワン ワワン
ワンワン ワワン
うまいねえ。先生(せんせい)も歌(うた)はうまいんだけど、君(きみ)もなかなかたいしたものだ。
さてさて、この歌(うた)を君(きみ)たちはどう考(かんが)えるか、というのがもんだいです。
もちろん、この歌(うた)は、まい子(ご)になってはいけないということを言(い)っているわけではなく、聞(き)かれたことには、ちゃんとこたえなくてはいけないと、
言(い)っているのでもない。
また、「わたしはだれ?ここはどこ?」なんてことを言(い)っているわけはないよねえ。
この歌(うた)ではただたんじゅんに
○つうじあわないものはしょうがない
○犬(いぬ)のことばはネコはわからない
としか言(い)っていない。いわゆるひとつの断絶(だんぜつ・わからなかったら辞書(じしょ)を引(ひ)くか、おかあさんに聞(き)いてみよう)っていうヤツですな。
「だから、どうすればいいんだ」
ということに対(たい)して、この歌(うた)は何(なに)もかいけつしてくれてはいない。こまったもんだね。犬(いぬ)のおまわりさんもワンワンとなくだけで、なんにもしてないんだもん。
でもね、ここに天才(てんさい)であるわたしたちは、いみをつけ、わたしたちなりの、こたえを考(かんが)えていかなくてはいけないんだよね。
まずひとつめ。それは努力(どりょく)するっていうこと。ネコは犬(いぬ)のことばを、犬(いぬ)はネコのことばを、わかろうとする努力(どりょく)をしていかなくてはいけないんではないか?
ふたつめは、たとえことばがつうじなくても、まわりのようす、ふんいきから判断(はんだん)して、推測(すいそく)・想像(そうぞう)してみるということ。
みっつめは、なぜちがうことばをしゃべるのか。みんなおなじことばをしゃべるようになればいい。犬(いぬ)も、ネコも、ネズミも、ウサギも、おなじことばをしゃべれるような、べんきょうをしていくひつようがあるのかもしれない。
もし、君(きみ)が犬(いぬ)の世界(せかい)にはいってしまって、まい子(ご)になったらどうするかを考(かんが)えてみてもいいよね。
そういうように、考(かんが)えに考(かんが)えていくと、いま、君(きみ)たちのすんでいる、この現代(げんだい)の世界(せかい)におこっているもんだいを、この歌(うた)から考(かんが)えるっていうこともできるようになるんだゾヨ。
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※出典:きみにも読書感想文が書けるよ パート2(1・2・3年向)(1990年)