内田麟太郎・文 高畠純・絵 / 文渓堂
おとうさんがワニぼうのために こいのぼりをかってきてくれたんだ。
こいのぼりをあげて、おとうさんも、ワニぼう、うでぐみして ながめて、
「いいねえ」ってうっとり。 だけど、おかあさんが言うんだ。
「でも、ちょっと さびしいわ」。
つぎの日……。さあて、おとうさん、どうしたと思う?
◎とっちゃまんのここにちゅうもく!
このワニ家ぞくの絵、かわいいなあ!一ぴき、友だちにほしくなっちゃった。
こいのぼりをあげているうちに、ワニのぼりになってしまったワニパパとワニぼう。五月の風にふかれてみたかったんだね。
ボクも、「こいのぼりになりたい」って思ってしまった。きみはどう?
明るくて気もちがいい、五月の空のような絵本。五月の空を思いうかべながら読みたいね。
・考えるポイントは?
1 こいのぼり、どうして気もちよさそうなのかな?
こいのぼりは風があって、はじめて、およぐことができる。風がなければ、だらんとしている。おんなじばしょでね。これって何かを考えさせるよなあ。
2 きみの家のこいのぼりはどうだろうか。思い出してみよう。きみはどんな気もちでながめたかな。こいのぼりを見たときの、自分の気もちも書くと
いいよ。
3 こいのぼりひとつではさびしそうだと、ワニパパはひごいやぼうやのこいもセットしたよね。
大きな空に一つだけのこいのぼりがおよぐすがたをそうぞうしてみよう。
きみは、「ゆったり」と見る?「さびしそう」と見る?そんなかんそうも書けそうだね。
けっきょく、ワニぼうもおとうさんもほかのみんなも、空をおよぐことになった。ボクはここにちゅうもくしてしまう。空はボクたちのあこがれの
せかいみたいだ。じゆうで、気もちがよさそうで。
だけど、空はいつもはれとはかぎらない。雨やあらしだってある。そんなことも考えてみたいね。
※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
※無断での転用・転載を禁じます。