ソリちゃんのチュソク

ソリちゃんは韓国人。大きな町に住んでいる。ソリちゃんの家では、チュソクのお祭りに、いなかのハルモニ(おばあちゃん)をたずねることになった。

チュソクは日本のおぼんにあたるお祭りで、だいたい九月の中ごろに行われる。とても大事なお祭りなので、都会に住んでいる人がたくさんいなかに帰る。

お話はソリちゃんの住んでいる町の人たちが、チュソクのじゅんびをしているところから始まる。

チュソクをとても楽しみにしているソリちゃんといっしょに、楽しい韓国のお祭りをたずねてみよう。日本のお祭りとどんなところがにているだろう。どんなところがちがうんだろう。

◎とっちゃんまんのここに注目!

なつかしさを感じさせてくれる絵本。おとなりの国、韓国の作家の本だから、親しみやすいよね。絵もいいね。

韓国って、日本とよーくにているよね。日本と韓国は、親せき同士という感じ。今、過去に日本が韓国にしたことをめぐって、いろいろな議論がわいているけれど、こういう絵本を見ていると、「もっと大切なことがある」という気がしてくるよ。何か大切なことを感じさせてくれる絵本だ。

・里帰り、おはかまいり

都市に住んでいる親子。それがチュソク、日本でいうおぼんに里帰りするんだよね。そして、一族が集まって楽しい日々をすごす。

ハルモニ――おばあちゃんの表情がいいよね~。家族や親せきみんなが集まって、なかよくワイワイ。

ソリちゃんのチュソクときみの家の帰省をくらべてみよう。そうすると、日本がなくしてしまって、となりの国がしっかりと持っているものが見つかる。

おとなりの国では、何か古いものや守るべきものを、しっかりと守っているという感じがするんだよねえ。同じことを、長いことくり返して、守ってきたんだろうね。これが伝統だ。

今、日本の社会で犯罪やいろんな事件が多くなってきているのは、家族の結びつきや心の結びつきが弱くなっているためだともいわれている。日本の社会で大切にしなければならないことは、なんなんだろうね。

・となりの国のこと

ボクらはもっともっと、となりの国のことを知るべきだね。いいことも、悪いことも、むかしのことも。いろんなことを知るべきだ。

国と国がつきあって、おたがいに成長していくためには、やくそくごとよりももっと大事なことがある。理解しあって、たくさんの友だちを作るということが大事なんじゃないかな。

日本はアメリカやヨーロッパから、たくさんのことを学んでいる。それと同じように、アジアの国ぐにからも学ぶべきだよね。

せっかくこの本を読んだんだから、これを機会に、韓国や北朝鮮のことをいろいろ調べてごらん。もちろん、日本との関係についても。むかし、どうだったのか。今、どうなっているのか。そういう知識を持って、この絵本のページをめくると、また、印象がちがってくるんじゃないかなあ。

・なつかしい!

ボクはこの本に、「なつかしいなあ!」という気持ちをかきたてられたよ。

心のふるさとのように思える。

絵をじっくり観賞してみようよ。人の顔や表情、着ているもの、人びとのくらし。きみは何を感じるかな?よーくながめてきみ自身が感じとったことは、感想文の大切な材料になるよ。

 

 

※上記の著作権は宮川俊彦にあります。
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※出典:読書感想文おたすけブック(2001年)

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ソリちゃんのチュソク

イ・オクベ・作・絵 みせけい・訳 / セーラー出版