君(きみ)たちはディズニーのマンガを見(み)たことがあるよね。
もしかしたら、
「ディズニーランドへつれてってくれないと、感想(かんそう)文(ぶん)なんかかかない」
なんてダダをこねて、おかあさんとのとりひきの材料(ざいりょう)にしたこともあるんじゃないかな。
『おおかみ王(おう)ロボ』『ミッキーマウス』『ドナルドダック』」そして
『ダンボ』……。
おもしろいよね。テレビコマーシャルでクジラが空(そら)をとぶのは見(み)たことがあるけど、ゾウが空(そら)をとぶなんてね、ゾウッとするナ(なんてね)。耳(みみ)を羽(はね)がわりにするというのも、まあ、ほんとうにダンボ…もの!(らんぼうもののシャレのつもりなんだけど……)。
さて、つまんないシャレはすっかりとわすれて……。
これも、あたりまえだと思(おも)われていることを、あたりまえじゃないと思(おも)ってみると、とってもおもしろいんだってことがわかるよね。
「おかあさんはやさしい」
「おとうさんはこわい」
なんてことを言(い)うよりも、
「おかあさんが死(し)んじゃった」
「学校(がっこう)からかえると、おかあさんがいなくなってた」
「おかあさんとおとうさんがりこんして、おかあさんはとなりのおじさんとけっこんしちゃった」
「おとうさんが会社(かいしゃ)をやめて、家(いえ)で遊(あそ)んでる」
「おかあさんの口(くち)がみるみる両側(りょうがわ)にさけていって、目(め)もつり上(あ)がり、耳(みみ)もとんがって悪魔(あくま)みたいになった」
そんなことを考えてみると、おかあさん、おとうさんのすがたははっきりしてくる。
ゾウが空(そら)を飛(と)ぶ。あの大(おお)きな耳(みみ)を羽(はね)にして。というように、ものごとの見方(みかた)をふつうよりもちょっと変(か)えてみる。ほかの人(ひと)がそうそうできないことを考(かんが)えてみる。まるっきり反対(はんたい)のことを考(かんが)えてみる。
そういうことをしてみると、ものすごくゆかいで、ものすごくへんな感想(かんそう)文(ぶん)がかけてくる。これはまえにも言(い)ったけど、ちがいを考(かんが)えるということでもあるんだナ。
だから、とっても変(か)わった見方(みかた)をしてほしいんだよね。
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※出典:きみにも読書感想文が書けるよ パート2(1・2・3年向)(1990年)