『白雪(しらゆき)ひめと七人(しちにん)の小人(こびと)』の小人(こびと)っていうのは、じつはほんとうにいるんだよ。だって先生(せんせい)は写真(しゃしん)もってるもん。巨人(きょじん)だっているんだよ。だから、この話(はなし)のなかに出(で)てくるような、小人(こびと)の村(むら)というのがあったというのもほんとう。小人(こびと)だけで楽(たの)しくしあわせにくらしていたんだ。
そこに、とつぜん、白雪(しらゆき)ひめがあらわれた。このいきなりやってきた大女(おおおんな)(小人(こびと)から見(み)ればね)を、小人(こびと)たちはとってもやさしくむかえてあげた。
これは、かぐやひめを見(み)つけたおじいさん、おばあさん、犬(いぬ)の世界(せかい)にはいってしまった子(こ)ネコちゃんと、おなじなのかもしれないね。
しかし、なんといっても、白雪(しらゆき)ひめは頭(あたま)がわるかったんだナ。せっかく小人(こびと)たちが「これはしてはいけないよ」といってくれたのに、そのダメということを、ぜんぶやってしまったんだもの。しまいには、どくリンゴまで食(た)べてしまうというんだろう。きょ年(ねん)の「きみにも読書(どくしょ)感想(かんそう)文(ぶん)がかけるよ」でかいたシンデレラのように、王子(おうじ)さまがあまりのアホさかげんにイヤになって、別(わか)れてしまうかもしれません。もし、また城(しろ)をおい出(だ)されたら、小人(こびと)たちは助(たす)けてくれるのでしょうか。
"もし"ということばをつかって、この話(はなし)はいろいろな読み方(よみかた)ができます。
これはもう君(きみ)たちにもわかっているよね。
もし、白雪(しらゆき)ひめが小錦(こにしき)みたいなからだで、顔(かお)もとんでもなかったら、王子(おうじ)さまは、白雪(しらゆき)ひめをさけて行(い)ったかもしれない。
もし、王子(おうじ)さまがやさしいのはうわべだけで、本当(ほんとう)はとってもこわくて、すぐおこってしまう人だったら……。
「白雪(しらゆき)ひめが助(たす)かってよかった」なんて安心(あんしん)してばかりはいられなくなってくるでしょう。
「助(たす)かり方がもんだいだナ」
「毒(どく)リンゴを食(た)べるまでに、どうにかならなかったのか。きつと何(なに)か方法(ほうほう)があったハズ」
そこまで考(かんが)えていくと、君(きみ)たちの大(おお)きなテーマとなっていくにちがいありません。
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※出典:きみにも読書感想文が書けるよ パート2(1・2・3年向)(1990年)