「なだもだ」は読書感想文の必殺技だ

最近とっちゃまんは「なだもだ先生」なんて呼ばれることがある。「なだもだ」がかなり評判になっていたらしい。知らなかった。

この「なだもだ」はたんなる感想文の書き方なんかじゃないんだ。「なたもだ」を使うと「何を書いたらいいかがわかる」そこがポイントなんだ。

「なたもだ」の四文字を覚えておこう。この四文字はハイレベル感想文の必殺技なんだ。

 

☆「なたもだ」で文章を続けて書こう

 

「なたもだ」とは「なぜなら」「たとえば」「もしも」「だから」の四つのこと。この四つの言葉で、文章を続けて書いていくことができるんだ。

 

「私は犬がこわいです」

「なぜなら、犬はときどきほえるからです」

 

ほらね。「なぜなら」と書くと、文章が続けて書ける。それはね、自分の中にある「何を書いたらいいか」が見つかるからなんだ。

この「な・だ・も・だ」をぜんぶ使ったら、きみの意見をどんどん発展させていけるよ。もうそれだけで、りっぱな感想文ができるんだ。

 

「私は犬がこわいです」

「なぜなら、犬はときどきほえるからです」

「たとえば、となりの家の犬は、玄関の前をとおると、すごく大きな声でほえます」

「もしも、犬がこわくなくなったら、私は犬といっしょに遊べると思います」

「だから、私は犬を好きになって、いっしょに散歩につれていってみたいです」

 

こんな具合だね。この四つの順番には、あんまりこだわらなくていい。

ひとつだけ使ってみても、どれを使ってもいいんだ。

まずは「なたもだ」の順に使ってみようか。

 

☆「なたもだ」で感想文を書き進めるには

 

1. 本の中から《テーマ》をさがそう。「これについて書いてみよう」と決めるんだ

2. きみの《意見》を書こう。「私はこう思う」と自分が思っていることを書くんだ。この意見は短くていい。一行だっていい。

3.「なぜなら」と書いて《理由》を説明しよう。どうしてそう思ったのかを説明するんだ。

4.「たとえば」と書いて、実際の《例》をあげよう。これは、ひとつだけじゃなくて、いくつかあったほうがいい。そのほうが説得力がある。こんなことがあった。こんなこともあった……、というように、たくさんあげてみよう。

5.「もしも」と書いて、考えを次々に《展開・吟味》しよう。こんなふうにしてみたら、こうしてみたら……、と見方や考え方を広げたり変えたりしていくんだ。

6.「だから」と書いて、きみの結論を《まとめ》よう。

 

☆「なもど」はもうひとつの魔法の言葉

「なたもだ」を使う前に知っておいてほしい言葉がある。それは「なもど」。「なもど」は意見を導く魔法の言葉だ。

 

1.      ものごとを考えて自分の意見を持つには「なぜか」と疑問を持って探求する。疑問点を山ほど持つことが出発点だ。

2.      「もしも」であらゆる面から追求する。

3.      そして「どうしたらいいか」と方策を考える。

 

自分の意見が見えにくかったら「なもど」を使ってみるといい。その先に自分の意見がある。きれいに、まとまっていなくても疑問や思いだけでも意見なんだ。

「なもど」の次に、感想文を書くポイントとしての「なたもだ」がある。そういうふうに理解してくれるかな。

 

 

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※出典:読書感想文書き方ドリル(2011年)