自分を語る

そして感想文には、自分を語ろう。「私は」「ボクは」が主語だ。「この本は」

は全体の主語にはなっていかない。なぜなら、本の紹介ではないんだ。君がどう読んだか、ということが中心なんだ。

「この間こんなことがあった」なんて自分の体験から書いていくのもいい。

兄弟ゲンカから始まっても、食事のシーンであっても、いじめや今の自分の苦悩や、考えていることから始まってもいい。そう、作文と同じだね。しかも自由に語っていくという作文とね。

書き手はいつも自分。君の感想文の主人公は自分なんだ。

その自分がこの本に接したということ。そして何事かを考えたり、思うわけ

だ。自分の意見が中心で、そのための材料や素材、取材対象、情報というものとして、その読んだ本があるんだと知っておいてほしい。

ふだんから考えたり、思ったりしていないと、なかなかこうした展開はむずかしい。探してごらんよ。きっとあるんだ。誰でも考えて、思って生きているんだから。

そことセットしていくことが君の文を推し進め、高いところにもっていってくれる。

だから、今回のボクは君にふだんから物事を考えていくことを求めてみたいな。「うーん」とうなって考えることだけじゃなく、考え方を持って、テーマを持って考えていくということをね。

 

 

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※出典:ザ・読書感想文‘96(高学年向け)