おばけクラス新0組

「ボクちゃん」の名前は、木原リリコ。ボクちゃんなんて言ってるけど、  れっきとした女の子なんだ。

きょうは、四月のクラスがえの発表の日。どきどきしながら学校へ行くと 親友のアッキーが「おんなじクラスだよ!」って教えてくれた。

この新しいクラス、なんだかふしぎなの。だいたい「0組(れいぐみ)」なんて呼び方、聞いたことないじゃない。その上、クラスメイトはボクちゃんとアッキーと トオルのほかにたったの三人、しかも教室は地下なんて!?それに三人のクラスメートは、みんななんだか耳がとんがってるし。たんにんのクサババ先生の

耳もとんがってるんだよね。

◎とっちゃまんのここに注目!

こんなクラスがあったら、ハラハラドキドキの毎日を送れるね。こんな先生やなかまとじゅ業があるなら、学校はたいくつなところじゃなくなる。それに、学級ほうかいや不登校なんかも関係なし。

まんが家の石坂啓さんが書いた物語。センスばつぐんのけっ作だね。

・カエル

なべでにたカエルというのは、じつはグミだった……。まさに「やみなべ」。これって、マジック、とんち、悪ふざけ、悪乗り、お遊び、いたずらだ。

一ぴきだけ本物を入れといた、というオチもいいよね。

そりゃ、ギャグやいたずらはよくあることではあるけれど、ボクはこのセンス、好きだな。みんながマジメで、みんなが決まり切ったことしかしないなんて、ツマラナイ。そんなんじゃ世の中進歩しないし、文化も育たない。やっぱりギャグは大切だぜ。

・まぼろし?

このクラスはまぼろしではない。ほんとうにあったような気がするよね。 きみはどう思う?まぼろしではないとして、ボクらがつかんでみたいのは、 いったいこのクラスは「何をやっていたのか」ということだ。

ふつうの勉強ではないよね。でも、勉強ではないのに、0組でしか得られ  ない何かを勉強していたって感じがする。0組ならではの目的なんかもあったんじゃないかな。それ、見つけてみよう。きみの感想や感想文の中心になるぜ。

・クサババ先生

この先生、次つぎにいろんなアイデアをくり出してくれるよね。「もしも」のじゅ業とかさ。で、フツーの考え方やフツーの答え方をすると、「つまらない」という。人ってさ、「こうでなければ」という思いこみのワクを取りはずせない。

でも、このクラスには、その思いこみのワクがない。「自由に考えていい」

というふんい気がある。この先生のような人がいたらいいなあ。きみの先生や学校のふんい気はどうだい?くらべてみるのもおもしろいよね。

・さて、ポイントは?

二つのポイントをあげてみよう。

この、なんとなくおそろしげで、なんとなくおもしろいおばけクラスはなぜ出現したのか?どうして「ボクちゃん」はおばけクラスに入ったのか・物語や物語の中のエピソードには、「おもしろい」だけでは終わらない意味やわけがある。その一つ一つについて、じっくり考えてみるといいんじゃないかな。

 

 

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※出典:読書感想文おたすけブック

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おばけクラス新0組

石坂啓・作・絵 / 小学館